2007年11月25日 (日)

映画「人のセックスを笑うな」試写

「side b」12月10日発行号用に久々長~いレビューを書きました。

>>人のセックスを笑うな

19歳のみるめ(松山ケンイチ)と、39歳のユリ(永作博美)のいかれた冬の恋物語は、山崎ナオコーラの同名小説の映画化。短い期間だったけど、密度の濃い2人だけの幸せな時間が確かにあったよね、という時間を切り取った作品。

結婚とか約束とか、そういうルールや枠を考えなければ、ラブリーで、一緒にいてホカホカするようなステキな関係だったんだけど、人ってどうしても、もっともっと、って求めてしまうんですね。それが2人のバランスを崩してしまう。好きなだけじゃだめなのかな。一緒にいたいから一緒に時間を過ごす、触りたいから触る、それだけじゃだめなのかな。結局2人のホントのことは2人しか知らなくて、いや待って、そもそも真実なんてこと、恋愛に必要だっけ?なんてことを思い出させてくれる作品。20歳差かぁ・・・やるなぁ(笑)。

主人公みるめは、ある日ちょっとエキセントリックな年上の女性ユリに出会って、恋をした。みるめが彼女の魅力にどんどんハマってしまうのは、ユリの行動が予測不可なことや、映画好きなど趣味が共通してることや、リトグラフの講師というアート系の人だ、というのもポイントが高いのかな。「芸術」って、ズルイなぁ。男性も女性も、芸術の前に、相手を裸にさせちゃうでしょ(笑)。ユリも、「デッサンのモデルになって」と、みるめを自宅アトリエに誘い、いきなり「脱いで」とストレートに言えちゃうんだもの。そして、みるめも、恥ずかしがりつつも、気づけば脱がされてるし。恋愛のイニシアティブは、いつもユリのペース。

イキナリ19歳で、こんな濃厚で非日常的な恋愛に墜ちてしまったら、同年代の女のコなんて、もう子供に見えちゃって、つまらなくなってしまう。だから、密かにみるめのことを好きなクラスメイトのえんちゃん(蒼井優)の気持ちになんて、気づきもしない。というか、えんちゃんが目に入らない。えんちゃん目線で観ると、辛いですね。

監督は、「犬猫」の井口奈己。あ~、それで!わかりました。「犬猫」の時にも感じた、ちょっと長く感じてしまう理由。映画とは、いろんな出来事、この作品でいえばひと冬の出来事を、約2時間の作品に編集するワケです。大学の授業が実際40分間でも、映画ではそのシーンは十数秒に編集されています。が、手法として、「リアルタイム」で、映像を演出する監督がいます。例えば、車が走っていくシーンをそのまま全部見えなくなくなるまでカメラを回していたり。実際体感する時間と同じなので、2時間作品の中で、そういうシーンが多様されると、結構長~く感じます。でも、臨場感はでます。井口監督は、リアル時間の演技が好みのようで、そのままカメラ回してました~的な、偶然が生むリアルを追求しているみたいなんですが、ちょっと長いなぁ・・・と感じました。コレ、前の「犬猫」でも感じたことで、この監督の特徴なんですね。自然体の演技は引き出されてます。セリフがセリフに聞こえず、隠しカメラみたいなエロさを出してました(笑)。

さて、みるめの行動は、男性でも支持者は多いんじゃないかな。大学でユリを見つけて、誰もいない準備室に引きずり込んでキスしちゃうとか、バイク(カブ)が止まって、歩いて引いてく時の、チェッ!みたいな気分とか、諦めようとしても、諦められないところとかね。みるめ、頑張れ!いい男になれ!

2007年/137分/監督:井口監督:井口奈己/出演:永作博美、松山ケンイチ、蒼井優、忍成修吾ほか/原作:山崎ナオコーラ「人のセックスを笑うな」(河出書房新社刊)/製作・配給:東京テアトル

●1月19日(土)より、シネセゾン渋谷ほかにて全国順次ロードショー

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この映画は、観終わった後、いろいろ話しましたね。そして、同じ作品について、上村クンが、「ジャングル☆ライフ webコラム」の12月1日配信コラムで男から観たレビューを書いていますので、是非そちらも見てください。

上村拓のエアシネマ

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