2008年3月23日 (日)

リレー小説「午前2時」(最終回)

「ミユキ、だれと喋ってるんだ?」

もこみち風がアケミに言った。

「この猫よ。」

オレの頭を撫でながら言った。

「風邪こじらせてんだから、猫を入れちゃまずいだろ。毛!咳き込むだろ。」

もこみち風が汚いものを見る目でオレの方を見た。

「猫ってたまに何もない宙をじっと見ることがあるの。それって幽霊とか何かが見えてるかららしいわよ。」

「ふーん。っていうか、この部屋前々から気持ち悪いって言ってただろ?やっぱ何かいるんじゃねえの?俺さあ、こう見えていろいろ感じる体質なんだよ。さあさあ、とりあえず猫は外に出しとくぞ。」

乱暴にオレを抱えて、ドアの外にほっぽり出した。

「だからァ、今日は深夜まで仕事が残ってるって言ってただろ・・・」

ドアの向こうからもこみちの半分あきれた声が聞こえてきた。

それにしても、ミユキっていうんだな、あの女は。

人が動物に勝手に名前つけるように、俺も勝手に「アケミ」ってつけてたけど、惜しかったな。

3文字ってとこは合ってたし。

はあ~。

今から恋人同士の時間ですか。

7人に見られながら。

(上村)

2008年3月23日 書籍・雑誌 |

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