2008年8月27日 (水)

映画「おくりびと」試写

Photo 遺体を棺に納める「納棺師」という仕事。それは悲しいはずのお別れを、やさしい愛情で満たしてくれる人。

地味で触れ難いイメージの職業をテーマにしながら、愛する人をおくるということ、そしていつかは自分もおくられる側になるということを真摯に描いた作品。

―――東京でオーケストラのチェロ奏者をしていた大悟(本木雅弘)は、楽団の解散を機に演奏家としての道を断念する。故郷山形に帰る決心をした大悟に妻(広末涼子)は着いて行く。

まずは仕事を見つけなければ。新聞で「旅のお手伝い」という求人広告を見て面接に行ってみたら、「旅立ちのお手伝い」の誤植だった!(苦笑)

納棺師という職業が妻や周囲に理解され受け入れられるまで、大悟自身も迷いながら、見送る人々とその家族をいくつも目の当たりにし、次第にこの職業の大切さにプライドを持ち、死者と向き合っていく。当初、妻には内緒にしていた。それがバレた時、怒って妻は出て行く・・・。

死と向かい合うという重い題材だけど、大悟を取り巻く人たちのユーモア溢れる日常会話が、素朴で安心感を与えてくれます。

脚本は放送作家として有名な小山薫堂。あ~なるほど、と思いました。初脚本ということだけど、彼が発表するものはいつも上品でスマート。今回も、センスある会話が、この作品全体を上品に、美しくまとめていました。

この映画を観るまで、納棺師という職業を知りませんでした。でも、本木雅弘演じる納棺師は、舞うように美しく厳かに仕事をします。いつか大切な人をおくる時、自分自身で出来ないのなら、大悟にお願いしたい!と思ってしまうほど。

映画の中で特に驚いたのはオーケストラの演奏シーン。ピアノやギターなど楽器を演奏するシーン、大抵の場合、手元のアップは音楽家が演奏し、役者は顔のアップや手元の映らない全体の引きの映像がお決まり。見る側も、役者にそこまで期待していないのかもしれないけど、そういうものだと思ってたから、本木雅弘がオーケストラの団員としてステージで演奏しているシーンの時、普通に彼が一員として演奏している姿が映し出されていて、職業「俳優」としてのプロの仕事ぶりに驚かされました。本当に演奏家として自然に溶け込んでいたので、物語に圧倒的な説得力を感じました。

後日見たTV番組で彼は、チェロは一生続けていきたい、と言っていて、そういう趣味に出会えたことを羨ましいなぁ、と思いました。

★「おくりびと」は、9月13日公開です。

2008年8月27日 映画 |

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